よくある質問

  
  
  

しきたり・喪

日本では、葬儀に喪服を着用しますが、これはいつごろからでしょうか。なぜ、黒なのでしょうか?
日本の伝統的な喪の色は白で、現在でも白の喪服を着るところが残っています。 日本で喪服が黒になったのは、明治30年代の欧米化政策の一端です。 また、繊維業界が「黒の礼服」というスタイルを打ち出し、それを冠婚葬祭で着るようになり定着したといわれます。
「おたいや」についてお教えください。
「逮夜」とは葬儀や大きな儀礼の前夜の儀式のことで、通夜と同じような意味でつかわれる場合が多いようです。
「精進揚げ」「精進落とし」はどのようなことですか?
精進の意味は、潔斎しひたすら宗教的生活の一途に生きることをいいます。それが民間の信者にとっては、肉類を食べない意味へと転化しました。従って忌の間や葬儀のときは精進料理をいただきますが、それがおわると終わった印として肉類を含む料理をとります。これを精進落しといいますが、地域によっては「精進あげ」とよんでいます。葬儀用語は他にも、地域によっていろいろと違った言い方をするものがあります。
六文銭、六道銭について教えてください。
六文銭は、死者が三途の川をわたるときの渡し賃であったり、死後六道輪廻するときに、それぞれの世界に入るときの費用であるという説明がされています。 これは古代中国にもあった慣習です。江戸時代には実際に六文銭を入れたようですが、現在は模造の六文銭を使用しています。
火葬場から帰る時、来た道と違う場所を通るのはなぜですか?
死者がまた戻ってこないように、違う道をとってわからないようにする、という迷信が伝統として伝わっているのが理由です。これは野辺送りの時からの習慣です。
「友引」には葬儀は行われないのでしょうか?
「友引」「大安」というのは六曜によるもので、室町時代に日本に伝わったものです。先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口の順に繰りかえすもので、日の吉凶をあらわしています。

「友引」は、この日に葬儀をすると、それに友が曳かれる(一緒に誰か死ぬ)というイメージから嫌われて、その日に葬儀をしないようになりました。ただし一部の地域では友引人形を入れて、身代わりに立てて葬儀を行います。

また浄土真宗の強いところでは、「友引」は迷信であるとして反対し、この日でも葬儀を行うところがあります。ただし、火葬場も休みが必要ですので、皆さんが嫌っているこの日をお休みにしているところが多いようです。

家を新築中に葬儀に出席しないほうがよいのでしょうか?
日本では死を汚れとする考えがあり、家を建てるときには人柱が必要といわれたり、縁起をかつぐことがありますので、そのように思われることもわかります。 葬儀が行われる地域でそのような慣習があるならばそれに従うことはおかしくありませんが、葬儀は故人との最後の別れの場となります。 そこで、本人が気になさらないならば出席されることをおすすめします。
身内に病人がいる場合、葬儀への出席を控えるものでしょうか?
死を汚れとする考え方は各地にありますが、そのような事例はきいたことがありません。もし欠席されるのであれば、弔電をおくったりお悔やみの手紙を出すということが考えられます。また、葬儀後に先方にお香典をもってお悔やみに行くという方法もあります。
妊娠中は、通夜や葬式に出ないほうがよいと聞きましたが?
妊娠中に葬儀に出ないほうがよいというのは、昔、死者が胎児に影響を与えるのではないかと考えられたからです。それが言い伝えとして残っているのでしょう。(出てはいけないというきまりはありません)

そこで妊婦が葬儀に出るときは、おなかに鏡を入れればよいといわれています。 鏡は魔よけの効果があると伝えられ、棺のなかに入れたり、墓地に鏡をかけたりしたと言われています。

そこで死者の霊が胎児に入らないようにする処置として、鏡を外側に向けておきます。迷信ですので、気にされるかどうかが一番の問題です。

礼状に、句読点がないのはなぜですか?
礼状などの文面は、昔は墨文字で書いたものです。日本の古典的文面では句読点を用いず、そのしきたりが今に残っているものと思います。従って文章的には句読点があったほうが読みやすいことから、これからは見直されるものと考えられます。
遺族に花を贈る時、リボンや花の色など気を付けることを教えてください。
お悔やみの花ということですと、白を基調としたものが多いでしょう。 葬儀では刺のある花や派手な色のものは避ける傾向があります。 花店でお悔やみの花であると伝えれば、そのように用意してくれます。 ただ、故人の好みや希望の花であれば上記にあてはまらなくても、お悔やみの意味としてはよいことだと思います。
女性の喪服の家紋は、実家の紋と嫁ぎ先の紋のどちらでしょうか?
一般的な慣習としましては、嫁入り前に作った衣裳は、実家の紋を付けるということになっています。結婚後、作った場合には婚家先の紋をつけることになっています。嫁ぎ先の紋に変えなければならないというきまりはありません。
弔事で使う真珠のネックレスは、2連でもいいのでしょうか?
喪服を着るとき、アクセサリーはつけなくてもかまいませんが、真珠か結婚指輪はしてもよいとされています。 ただし、2連の真珠のネックレスは「不幸が重なる」などといわれるためつけません。
厄払いをしたいのですが、現在喪中です。神社へ行ってもよいでしょうか?
神殿に近づくことがいけないとされていますので、神主さんに来てもらっておはらいしてもらうことは可能でしょう。 また、お寺でお祓いをしてもらうことも可能です。お寺はけがれの概念がありませんので喪中を気にする必要はありません。
服喪中ですが、入籍予定です。式や披露宴は行わないのですが、故人の親類縁者にはどのように対応したらよいでしょう?
喪中のお祝い事や神事は避けることをお勧めしますが、四十九日の忌明けを一つの区切りとすることもできます。重要なのは、相手の方が気になさるかどうかです。 入籍を行うだけであれば問題ありません。 もし、お祝いの席を設けるならば、相手の親類の方のことも考え、四十九日以降にすることをお勧めします。
忌引というのは親族のどこまでが当てはまるのでしょうか?
忌服期間は、官公庁服務規定によりますと、配偶者10日、父母7日、子5日、祖父母3日、兄弟姉妹3日孫1日、伯父伯母1日、配偶者の父母3日、配偶者の祖父母1日となっており、民間会社はこれを参考にしているのではないでしょうか。
身内の葬儀のすぐあとに、別の葬儀に出てはいけないと聞いたのですが?
喪中のときに、葬儀に参列することはかまいません。 ただし、以上の慣習が残されている地域であれば、そのしきたりを考慮して遠慮することも考えられます。そういう意味では、葬儀を主宰する喪主にご相談されるのが確かでしょう。
喪の期間というと一般的には49日でしょうか?
喪の期間は、明治時代に作られた忌服期間が基準となり、両親が死んだときで1年、夫1年、妻3カ月、子供・兄弟は3カ月、祖父母は5カ月となっています。 しかし、これは儒教の思想をもとにしており、現代においてふさわしいとは言えなくなっています。また、年賀欠礼に関していうと、現在では不幸があった翌年は欠礼するのが一般的です。
身内が亡くなった場合、婚礼は1年控えたほうがよいのでしょうか?
まず、先方がどのように考えているかを優先する必要があります。次に忌明けを一つのくぎりとし、お話を進めるという方法があります。また、神前結婚の場合には、喪中であればやしろに入る前に神官にお祓いをしてもらって結婚式を行っているそうです。 両家が納得できる方法であれば、しきたりに縛られる必要はないでしょう。
喪中にはおせち料理は用意しないのでしょうか?
お節料理は、節目に食べる料理の一つです。

お正月の料理ですので、それぞれに縁起があるなどおめでたい意味合いが多く含まれています。また、女性が正月の間台所に立たなくてよいように作っておくともいいますので、それほど厳密にお考えになる必要はないかと思います。 喪中ということから、紅白のかまぼこや頭つきの海老といったおめでたい意味合いの強いものを避けられる程度でよろしいかと存じます。

喪中の場合、正月の神棚はどのようにすればよいですか?
正月の神社の参拝や、玄関のしめ縄、お神棚のお正月飾りはいたしません。50日の喪があけたら、通常のお供えをします。
仏壇の向きは正式にはどのようにするのでしょうか?
仏壇の安置場所についてはさまざまな言い伝えがありますが、現在の住宅事情や生活習慣に合わせて考えるとよいでしょう。神棚と仏壇は向かい合わないのがよいとされています。また、あまり高いところに安置すると、日々の供養に不便なので、人が座った姿勢からご本尊を拝める位置が最適です。 そして、落ち着いた場所に安置します。一戸建ての場合は、客間や居間などが適しています。マンションなどでは直射日光を避け、風通しのよい場所を選びます。 仏壇の安置方法ですが、拝む人が北を向く南面北座説、本山を向く本山中心説、西を向く西方浄土説があります。
葬儀後に送るお悔やみ状の例文をおしえてください。
以下は例文です。

お父様ご永眠とのこと、ご冥福をお祈り申し上げます。亡くなられたことも存じ上げず、大変失礼いたしました。心よりお悔やみ申し上げます。  

ご心身ともにお疲れのことと存じますが、お身体を損なわれることのなきよう、ご自愛のほどお祈りいたします。  

お伺いしてお悔やみを申し上げるのが本当ですが、なにぶんの遠路にて略儀ながら書中をもってお悔やみ申し上げます。

寒中見舞いに故人名を入れ、訃報をかねてもよいでしょうか?
喪中に年賀状をいただいた場合には、松の内がすぎてから、喪中をしらせるはがきを出します。死亡者の氏名を入れると故人がはっきりすると思います。(次は文例です)

寒中お見舞い申し上げます。

このたびは、ごていねいに新年のご挨拶をいただき、まことにありがとうございました。実は昨年12月祖父山田太郎を亡くし服喪中のため、年賀状をさし控えさせていただきました。ご通知が遅れましたこと、どうぞお許し下さい。 本年も、よろしくご交誼のほどよろしくお願いします。

葬儀後に訃報を知り、励ましの気持ちを伝えたいのですが、どうしたらよいでしょうか?
お悔やみ状に香典を添えて送る方法があります。香典袋は現金書き留で送ります。また、香典の代わりにお花を送るという方法もよいでしょう。以下は例文です。

○○さんが亡くなり葬儀も済まされたとのこと、ただ驚いております。亡くなられたことも存じ上げず大変失礼致しました。心よりお悔やみ申し上げます。(本文)

まことに些少ではございますが、同封のものをご仏前にお供え下さいますよう お願いいたします。

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